高62期 伊佐 常紀

高62期

伊佐 常紀

-神戸大学大学院保健学研究科
博士課程在籍・理学療法士-

2020/10/20

※写真、右から2人目

生野高校創立100周年を心よりお祝い申し上げます。すでに寄稿された先輩方や後輩たちの文章力と経験値に恐縮しつつも、恩師の渡邊先生より執筆の機会を頂戴しましたので、僭越ながら執筆させて頂きます。62期野球部のみんなと過ごした日々は私の宝物です。今でも頻繁に会い、当時の何気ない日常や試合の思い出話に花を咲かせています。たくさんの思い出の中でも、特に私の脳裏に強く焼き付いた光景があります。“夏の大会4回戦の枚方津田戦、舞洲スタジアム、8回裏1-1と拮抗した展開相手1番打者にフルカウントで粘られる中、真っ向勝負で投げ続けるエースの姿その姿に応えるべく一球一球に集中する部員の姿、エースに声をかける部員の姿そんな私たちを後押ししてくれるスタンドの歓声”1年をかけて作り上げた組織が多くの観衆に認められた気がして、その光景が本当に美しく見えました。62期のチームは「エースを中心に粘り強く守り勝つ」を全員が共通意識として持ち、各々が自身の役割を全うできる強く結束された組織でした。たった一つの目的に邁進する私たちの直向きな姿勢が多くの観衆を惹きつけていた光景を見て、人が一所懸命に取り組むことの美しさを初めて感じることができました。また、その光景に強い思い入れがあるのは、主将としての責任感と自覚を持って、1年間チームに向き合ったからかもしれません。プレーヤーとしての役割は決して大きくなかった私がチームに欠かせない存在になれたのも、主将としての責任感と自覚を示し続けた姿勢をみんなが認めてくれたからだと勝手に思っています。現在、私は様々な組織に所属していますが、生野高校野球部で培った「役割を自ら見出し、その役割を全うするために一所懸命取り組むこと」で、どの組織にも人から必要とされる人間になれていると自負しています。最後に在学生へのメッセージです。私の幼い頃の夢はプロ野球選手になることでしたが、右肩のケガによって夢を断念しました。大きな挫折となりましたが、この挫折がなければ、生野高校62期野球部との出会い、理学療法士の夢、神戸大学の入学、大学院での研究活動、大学での最愛の妻との出会いのすべてがなかったかもしれません。この先の人生の岐路で道を選ぶとき、選んだ道が正解か不正解かはその時点ではわかりません。だからこそ、自分で選んだ道が正解になるよう、その道に責任と誇りを持ち、誠実な心で突き進んでください。そして、自分の人生に愛情を注ぎ続けてください。皆様の明るい未来を心から祈っています。


Profile
伊佐 常紀


生野高校卒業後、神戸大学医学部保健学科理学療法学専攻に入学。理学療法士免許を取得。神戸大学大学院保健学研究科に進学し、修士号(保健学)を取得。現在の博士後期課程に至る。複数の査読付き英語論文を執筆。研究活動の傍ら、在宅医療、整形外科スポーツクリニックに非常勤勤務し、主に神経難病患者、終末期がん患者、スポーツ障害のリハビリに従事。非常勤講師として流通科学大学の健康運動科学を担当。62期同窓会代表。2020年4月からは医療・介護・福祉部門の経営コンサルタントの道に進み、Life Course Approachの理念のもと、医療従事者の観点で全世代の健康を促進する社会の実現を目指す。

◆◇◆ 小野玲研究室 ◆◇◆
理学療法士の活躍の場は、病院でのリハビリだけでなく、未然に病気やケガを防ぐための予防分野にも広がっています!6年半お世話になった小野玲研究室では児童の健康増進・体力向上、産後女性の腰痛などのマイナートラブル、労働者の腰痛、地域在住高齢者の健康増進をテーマに、全世代が社会の中で生涯を健康に過ごすための要因を追求しています。本当に面白いです!
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