高60期 植田 藍子

高60期

植田 藍子

-ソプラノサクソフォン奏者-

2020/10/20

生野高校創立100周年に向け、生野高校に関わる方々にメッセージを配信できる機会をいただき大変光栄に思います。文武両道を掲げる生野高校での3年間はとても有意義な時間でした。1年生のとき、私は夏の吹奏楽コンクールのメンバーに入れず正直とても悔しかったのですが、舞台袖から先輩方の演奏を聴いて感動し、「私も演奏で人を感動させられるようになりたい、夢を与えられる人になりたい」という夢をもらいました。それからは夢の実現に向かって、気持ち揺らぐことなく音楽大学へと進みました。サクソフォンという楽器は、数ある種類の中でもアルトサクソフォンが最も知られており、特にプロを目指す音楽学生はアルトサクソフォンを当然のようにメインの楽器として勉強します。しかし私は大学在学中に、ソプラノサクソフォンという未だ知名度の低い楽器の魅力に惹かれ、アルトはそっちのけで、ソプラノに没頭するようになりました。ソプラノ専門の奏者というのは私の知る限り世界でも例がなく、「アルトをメインに、ソプラノはサブで」という考え方が暗黙のルールであるような世界でしたが、私は私の道を切り開くと、大学の卒業試験もソプラノだけでやりきりました。卒業してからも、ソプラノだけでは仕事が少ない、演奏の機会も、指導の機会も少ない、等といろんな忠告をされることがありましたが、私はソプラノサクソフォンの繊細で魅力的な音色を多くの方へお伝えしたいという想いから、道を変えることはなく、ソプラノ奏者として出来る様々なことに挑戦してきました。ヴァイオリンやフルート、オーボエの曲をソプラノで吹き、ソプラノを極めてきたからこそできる専門的な演奏技術を披露し…そうして活動を展開していくうちに、ソプラノサクソフォン奏者 : 植田藍子として認識していただけるようになりました。無理かもと思ってしまうような誰も挑戦していないことでも、誰よりも一生懸命に取り組めば出来るようになるはずです。そうして夢が叶ったときには、それが、 誰にも負けない自分の強みになります。生野高校には夢の始まり、夢のきっかけがたくさんあると思います。在校生、後輩の皆様には、どんな大きな夢でも、その手に入れた夢を大切に、一度きりの人生を輝かせて欲しいと思います。生野高校の益々のご発展をお祈りしております。


Profile
植田 藍子(うえだ あいこ)


3歳でピアノを始め、12歳でサクソフォンを始める。大阪府立生野高校を経て、大阪芸術大学演奏学科卒業。大学在学中よりソプラノサクソフォンの魅力に惹かれ、ソプラノサクソフォンを専門に学ぶ。大学卒業時に研究室賞受賞。同大学卒業演奏会、大学推薦音楽会フレッシュコンサート(西宮市)、サクソフォン新人演奏会、YAMAHA管楽器新人演奏会に出演。堺市新人演奏会出演並びに優秀賞受賞。第20回日本クラシック音楽コンクール全国大会第5位入賞。これまでにソリストとして、大阪芸術大学管弦楽団、Wind Orchestra Esperanza「希」と協奏曲を共演。アンサンブルやオーケストラなどでソプラノサクソフォン奏者として国内外で活躍。2013年に阿倍野区民センター小ホールにて、初のソプラノサクソフォンソロリサイタルを開催、以来ソプラノサクソフォンとピアノのリサイタルやコンサートを続けている。2017年に(株)ワコーレコードより、1stアルバム「FANTASIA ~Soprano Saxophone Album~」CDを発売。現在、ヤマハ音楽教室講師。堺市新進アーティストバンク登録アーティスト。

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