貝原 剛
2020/10/20
生野高校創立100周年、おめでとうございます。高校を卒業してはや12年。当時の記憶は出来事の大小に関係なく少しずつ欠落していき、テスト期間中に逃げ出したいと友人とぼやいたり、授業中に他のクラスの12分間走の記録が気になって運動場を眺めている友人の様子に苦笑したり、放課後部活でへとへとになっているなか、食堂で『カツ丼のおにぎり』を頬張りながら、どうでもいいことに盛り上がったりと、なぜそんなことを覚えているのかと自分でも呆れることもありますが、毎日なにか出来事があり、喜怒哀楽が溢れる高校生活でした。入学した頃、中学校とは比にならないほどの濃い授業や部活に圧倒されっぱなしで、これが生野高校の当たり前なのかと面食らった覚えがあります。それでも日々をこなし、へばらずなんとか3年間こなせたのは、周りにいた友人や先輩が自分にとってしっくりきた存在であり、高校が居心地良かったからではと思います。ただただ楽しかっただけでなく、自分自身を育ててくれるありがたい環境でした。たまに同級生に会うと、それぞれが活躍しており、そんな面白いことやってるんやなと感心させられます。授業中「君たちは、いずれ社会を牽引する立場になっていくんだ」と、恩師から薫陶を受けたことがあります。その時はそんな先のこと分からんわと生意気に聞き流していましたが、今思うと、確かにその通りで同級生の320人はきっとどこかで誰かのために輝き、誰かを引っ張っているのではと思います。そんな人たちと同じ学び舎で共にしていたことは誇りであるとともに、自分自身も頑張らねばと奮起させられます。改めて良い高校生活でした。
Profile
貝原 剛
平成25年文部科学省入省。
現在は高等教育局学生・留学生課で教育資金の一括贈与に関する非課税措置や高等教育の負担軽減等を担当。