高58期　芝野 健太

高58期

芝野 健太

-グラフィックデザイナー-

2020/10/20

生野高校創立100周年、誠におめでとうございます。この度はこのような機会をいただけて光栄に思います。僕は高校生のときは特段秀でた能力はありませんでしたが、高校生のときに見た建築物に感銘を受けて、建築家を志すことになりました。そして大学では建築を学びましたが、その中で出会ったグラフィックデザインという分野に惹かれて、卒業後にグラフィックデザイナーの道へ進み、今に至ります。高校生のときに志したこととは今は違うことをしているわけですが、大学で学んだ学問は今も好きですし、高校時代はあまり付き合いのなかった同級生と親しくなったり一緒に仕事をしたり、自分では予想しえないところでいろいろと繋がっていくのも、この広くて狭い社会では起こることです。僕はここで皆さまに何か為になることをお伝えできるほどの経験はありませんが、これまでの人生で感じたことは、やはり人は自分が好きだと思うことしか本気で打ち込めないということです。そのためには本当はやりたくないこともできるのです。　自分の将来や進路を考える際に、つい「自分に合っているか」や「周りからどう思われるか」といったことを先に考えてしまうのではないでしょうか。仮に今は自分に合っていないと感じたり、周りに反対されたとしても、誠実に向き合い続けていれば、次第に自分も周りの環境も徐々に変わってくるものだと思います。そして、その向き合った時間や経験、その間に出会った人たちは、自分にとってかけがえのない財産として蓄積されていくはずです。好奇心と主体性、固い意志、そして柔軟な思考で、これから先の長い人生を楽しく生きていける方が、ここ生野高校から多く輩出されることをお祈りしております。以上、在校生・後輩の皆さまへ向けて、ささやかな応援の気持ちを込めてのメッセージとさせていただきます。生野高校の益々のご発展をお祈りしております。

Profile
芝野 健太

1988年生まれ。2010年立命館大学理工学部建築都市デザイン学科卒業。2012年よりノマルに所属した後、2016年よりライブアートブックス（大伸社）に所属。主に美術・建築にまつわるグラフィックデザインから、印刷物の設計・監理までを行っている。