高46期 東 佳樹

高46期

東 佳樹

-シエナ・ウインド・オーケストラ打楽器奏者-

2020/10/20

2020年の大阪府立生野高等学校100周年に向けて、卒業生の一人として寄稿させていただく機会をいただき嬉しく思います。今から振り返ると高校時代は私の人生を形作る大きなきっかけにあふれた3年間でした。私は現在関東を拠点に打楽器奏者として活動していますが、音楽の道に進むことを決めたのは高校2年の秋。私が入っていた吹奏楽部の先輩に憧れて音大進学を密かに夢見ていたが、進路相談で周りの友人が法学部、工学部などと志望大学を決めていく中で、ちょっと冗談ぽく「音大とか考えてるんですけど~」と突然言い出したもんで、そこは生野の先生ですから「はぁ?」の一言。今考えてもごもっともなご意見だと思います。部活動でちょっと楽器を頑張ってたぐらいのレベルでしたから。でも当時音楽科の細田隆先生の勧めで教育学部の音楽科を目標に定めてからは、完全にスイッチが入った感覚がありました。はっきり言って遅すぎるスタートでしたが、プロの打楽器の先生に師事し、吹奏楽部の練習の傍ら打楽器の専門的な勉強を始め、今まで弾いたことのなかったピアノやソルフェージュも一から。ただただ自分の好きなことだったから頑張れたのかなと思います。若いってスゴい!生野にはいろんな可能性を持った仲間が沢山います。その中で力一杯のエネルギーで揉まれてぶつかり合って、この時にしかできない経験ができる高校だと思います。最後に校歌 登高賦より一節を引用して結びと致します。「この旗の下  一筋に  若き我らの道行かむ」


Profile
東 佳樹


1975年、大阪府河内長野市出身。大阪府立生野高等学校、大阪教育大学を経て、東京藝術大学音楽学部器楽科打楽器専攻卒業。
現在、佐渡裕氏が首席指揮者を務めるシエナ・ウインド・オーケストラの打楽器奏者として活動する一方、ドラム、パーカッション奏者としてオーケストラ、室内楽の分野からアーティストサポートまで、様々なジャンルのコンサートに出演。
ま た ミ ュ ー ジ カ ル 「 レ・ミ ゼ ラ ブ ル 」「 ジ キ ル & ハ イ ド 」「 ス ウ ィ ー ニ ー・ト ッ ド 」「 サ ン セ ッ ト 大 通 り 」「 ト ッ プ ハ ッ ト 」「 ド ッグファイト」「ジャージーボーイズ」、蜷川幸雄演出「マクベス」(NY NEXT WAVE FESTIVAL 2002に参加)、「オレステス」等のミュージカルや舞台作品での演奏、CMや映画音楽の録音などのスタジオワーク、TVの音楽番組への出演など、様々なシーンで音楽活動を展開している。近年はVibraphoneを担当しているリーダーユニット「東 佳樹Quartet」でのライブ活動も開始し、自身のオリジナル曲を中心に独自の音世界も追求している。