高40期 比留木 剛史

高40期

比留木 剛史

-NHK広島放送局アナウンス専任部長-

2020/10/20

生野高校が何より素晴らしいのはその懐の深さです。当時、私は “高校生” に “不適合” な子供でした。毎日1限目の教科書を出したままお昼休みまで爆睡。たまに起きていても窓の外を眺めるばかり。反抗期の熱もなく、青春の甘酸っぱさもなく、シンプルに怠惰でもちろん成績も悪い。そんな私にも優しい学校でした。美術の時間に作った「ウ〇コの周りを飛ぶ銀バエのモビール」に苦笑いで点数をくださった先生。卒業直前、点数の足りない私に夏休みの(!)宿題を提出するよう諭してくださった先生。そして3年生の文化祭を機に突然友達になってくれて、家に呼んでくれて、なんなら住ませてくれて、沢山の思い出をくれた柳嶋君。皆さんのおかげで今があります。「面白い」と感じることにしか興味が持てなかったヤツは、そのまま「面白い」と思うことを放送を通じてお伝えする仕事につきました。考えてみると、「自分とは違う人」「ちょっと変な人」「面白い人」に出会いたいとあちこちに取材に行く性質は、多様な人材を許容する生野高校の風土に培われたものかもしれません。在校生で「あれ?ここは自分の居場所かな?」と首をひねっているあなた!大丈夫です。そういう場所に身を置いた時間、悩んだこと、そして受け入れてくれた仲間や大人がいたこと、すべてが将来あなたの力になります。そして、私を含めそんなみんなが「至誠」の志を胸に生きれば、そのことこそが、多様な人間を懐深く受け入れ育ててきた生野高校100年の力であると思うのです。あらためて創立100周年おめでとうございます。


Profile
比留木剛史(ひるきよしふみ)

NHK広島放送局アナウンス専任部長

1993年、広島大学法学部を卒業しNHK入局。
アナウンサー。
岡山→神戸→大阪→東京アナウンス室→長崎→大阪→東京アナウンス室を経て、現在広島放送局。
主な担当番組は「ゆうどき関西発」「上方演芸会」「シブヤらいぶ館 演歌一本勝負」「ふるさと自慢うた自慢」など