高38期 米倉 紀之子

高38期

米倉 紀之子

-舞台俳優-

2020/10/20

生野高校の想い出。何故か真っ先に目に浮かぶのは通学風景。寝ぐせつきっぱなしの髪で自転車に飛び乗り最寄駅まで全力疾走。ラストの長坂は勿論立ち漕ぎ。南海高野線から近鉄線に乗り継ぎ河内長野駅から河内松原駅へ。通勤ラッシュでいつもぎゅうぎゅうの車輌の中、吊革につかまり潰されそうになりながら宿題やテストの勉強。何故あの頃はいちどきにあんなに暗記できちゃったのでしょう⁉︎部活とまあまあ勉学に励む(すみません!)ごくごく普通な生野の生徒の一人でした。でもあの日々は紛れもなく愛しく懐かしく眩しい青春の1ページ。そして人はいつも過ぎ去ってからその素晴らしさに気づく、、、そんなごくありきたりな私が20代後半から突如演劇に目覚め、それ以後舞台人人生を歩んでいます。一言でそのキッカケを記せば初観劇のとき、ライブという演劇舞台空間から勇気をもらったから。’また明日も頑張ろう’ というシンプルかつ究極の勇気をもらったのです。私も誰かに勇気を渡したい。祈りにも似たその想い一心でこれまで舞台人を続けております。明白なる事実としてあるのは人間は一人では生きていけないということ。近しい者同士は勿論のこと目には見えないところでも知らず知らずのうちに助け助けられ運命を全うしてゆく。そして宇宙の神秘がその源にある。この認識のスタートはもしかしたら生野時代だったのかもしれません。生野の友達 先生 校舎 グラウンド 体育館 みんなありがとう!母校がもうすぐ100周年!ブラボーです!誠におめでとうございます!生野高校創立100周年、おめでとうございます。卒業生の一人として寄稿させていただく機会をいただき、心より御礼申し上げます。
 現在、イベントの企画やエンターテインメントに関わる仕事をしていますが、今思うとその原点は高校時代の文化祭だったと思います。部活や勉強に忙しい生活の中で、さらにそこにイベントの準備をねじ込むあの無茶な感じ。そんなに器用でない私は、いつも途中で後悔していましたが(笑)全て終わった時には、やってよかったなと達成感で満たされる。何事にも全力で、メリハリをつけて、仲間と本気で挑む日々。そんな経験が私を今の場所に導いてくれたと思います。
 僭越ながら在学生の皆さんにお伝えしたいことは、何かで迷った時は是非思い切って行動してみてください。社会人になって一番感じるのは、今の社会で”答え”は考えて探して見つかるものではなく、行動して創るものだということです。今いる場所から見えない世界が、動いたら突然目の前に広がることもあります。行動しないと創れない未来があります。至誠の精神を胸に、是非ご自身の人生を切り開いてください。
 皆さんの学校生活が実りある豊かなものになることを願うと共に、生野高校の益々のご発展をお祈り申し上げます。


Profile
米倉紀之子(よねくらきしこ)


関西学院大学文学部卒業。
岡山放送株式会社局アナ勤務歴3年。
現在劇団昴劇団員。

主な舞台出演歴「 罪 と 罰 」「 夏 の 夜 の 夢 」「 ど ん 底 」「 ア ン ナ カ レ ー ニ ナ 」「 ア ル ジ ャ ー ノ ン に 花 束 を 」「 花 粉 熱 」「 声 」「 グ レ イ ク リ ス マ ス 」 「宮城野」「クリスマスキャロル」「ゆうれい貸家」「女優X」「ゴンザーゴ殺し」(朝日舞台芸術賞受賞)など
CM出演歴 ロート製薬 KDDI など
吹替歴 「ドリームガールズ」「グッドワイフ」シリーズ など
映像歴 「坂の上の雲」など