高37期 北岡 康夫

高37期

北岡 康夫

-大阪大学 教授・博士(工学)-

2020/10/20

私は1985年に生野高校を卒業後、大阪大学工学部に進学、大学院修了後、松下電器産業(現パナソニック)に就職し、DVDやBlu-rayディスクの開発に携わりました。2006年には大阪大学教授に着任し、途中、経済産業省に出向して国の科学技術政策にも関わりました。企業と大学での研究開発を通じ、事業化の面白さを経験するとともに、たくさんの論文と特許を書くことができ、1999年には博士号を頂きました。博士号は「足裏の米粒」と言われ、「取らないと気持ち悪いけれど、取っても食えない」という意味ですが、私にとってはその後の人生に大きな影響を与えました。博士号やMBA(経営学修士)は、研究コミュニティーだけでなく、あらゆる分野の方々とのネットワーク構築に一助となるので、取得されることをお勧めします。現在は、大学の研究シーズを社会に還元する仕事(ベンチャーの起業支援)を行っています。「ベンチャー」っていう言葉をお聞きして、皆さんは何を想像しますか?Google、Amazonなどを思い出す方も多いと思います。Googleはスタンフォード大学の学生が作った企業です。実は、パナソニックやSONYも昔はベンチャー企業だったのです。世界中では、皆さんと同世代の若者が研究開発に邁進し、そこから生まれる新技術を活用したベンチャーを起業し、世界に羽ばたこうとしています。高校までは先生から教えられることが多かったと思いますが、大学は今までに分からなかったことを自らの力で切り開くところです。つまり、皆さんの可能性を拓くため、多くを学びと様々な体験を提供する場所なのです。ぜひ、グローバルな視点で社会を見て、自らが何に貢献できるかを考え、自らの可能性を追求してください。の精神を胸に、是非ご自身の人生を切り開いてください。
 皆さんの学校生活が実りある豊かなものになることを願うと共に、生野高校の益々のご発展をお祈り申し上げます。


Profile
北岡 康夫


生年月日  昭和41年  7月19日(満51歳)
学生時代のアルバイトがキッカケで、エンターテイメントによる街の活性化に興味を持ち、米ニューヨークに留学。イベント関連の企業にてインターンを経験。その後、世界20ヵ国30都市を周る世界一周の旅を敢行。
帰国後、チャンバラ合戦-IKUSA-の運営団体をNPO法人化。日本各地で様々な企業や行政と連携してイベントを開催するなど、”外遊び”の可能性を追求している。TEDxKobe2015出演。みんなの夢アワード2019ファイナリスト。

1989年3月24日  大阪大学工学部  電気工学科卒業
1991年3月26日  大阪大学大学院工学研究科  電気工学専攻  修士課程修了
1991年4月1日  松下電器産業株式会社(現  Panasonic株式会社)入社 
(活動概要)
部品デバイス開発センター、および光ディスク開発センターにて、次世代DVD用短波長光源の研究開発に従事
1999年9月22日  大阪大学大学院工学研究科にて、博士(工学)取得
2003年4月1日  松下電器産業株式会社  デバイス環境部門企画室 
2003年9月1日  松下電器産業株式会社 
先行デバイス開発センター(活動概要)‌‌大阪大学との産学連携プロジェクト「Naフラックス法による窒化ガリウム単結晶研究」において、プロジェクトリーダとして研究開発に従事
2006年4月1日  大阪大学大学院工学研究科附属フロンティア研究センター  教授
(活動概要)‌‌
経済産業省「社会人基礎力育成事業」をプロジェクトリーダとして推進し、産学連携を活用した高度人材育成教育に従事。
2010年4月1日  大阪大学大学院工学研究科附属高度人材育成センター  教授
2010年10月1日  経済産業省製造産業局ファインセラミックス・ナノテクノロジー・材料戦略室  産業戦略官
(活動概要)‌‌
ナノテクノロジー・材料分野の技術戦略の立案に関わり、中で新しい国家プロジェクト「未来開拓研究制度」を制度し、平成24年度から磁性材料、平成25年度から革新構造材および未利用熱活用に関するプロジェクトを立ち上げた。内閣府のSIP(戦略的イノベーション創造プログラムにも参画し、平成26年度から実施されるプログラムの基本計画作成にも貢献した。また、所管していたファインセラミックス業界の活性化にも貢献。
2014年4月1日  大阪大学大学院工学研究科附属高度人材育成センター  教授
(活動概要)‌‌
官民イノベーションファンドの立ち上げを中心に、産学連携活動を推進するとともに、NEDO技術戦略研究センターフェローや内閣府SIP(革新的構造材料)サブPDなどを兼任し、国の科学技術政策にも貢献。
2015年4月1日  大阪大学  産学連携本部  副本部長
(活動概要)‌‌
全学の産学連携活動を推進するとともに、NEDO技術戦略研究センターフェローや内閣府SIP(革新的構造材料)サブPDなどを兼任し、国の科学技術政策にも貢献。
2017年4月1日  大阪大学  産学共創本部  副本部長/出資事業推進部門  部門長
(活動概要)‌‌
産学連携本部を産学共創本部に改組し、副本部長として産学連携活動をさらに強化するとともに、官民イノベ―ションプログラムの出資事業を担当する出資事業推進部門の部門長として学内のイノベーション活動の体制構築中。

受賞歴
平成9年  (社)応用物理学会  講演奨励賞
平成12年  (社)レーザー学会  論文賞 
平成19年  社会人基礎力育成グランプリ
2008(経済産業省)  審査員特別賞‌
平成20年  (社)日本工学教育協会JSEE研究講演会  ポスター発表賞‌ ‌
平成20年  社会人基礎力育成グランプリ2009(経済産業省)  準優秀賞‌
平成26年  社会人基礎力を育成する授業30選
平成27年  (社)溶接学会  ベストオーサー賞