高35期 増田 智彦(桂文華)

高35期

増田 智彦(桂文華)

-噺家-

2020/10/20

生野高校に入学していなければ、おそらく噺家にはなっていなかったと思う。 昭和42年頃から所謂「落語ブーム」が始まり、各大学には落語研究会がどんどん創設されたが、落研のある高校はほとんどなかったしかし、生野高校にはあった。中学二年の時に全校生徒の前で落語を演じた経験があるものの、高校に落研が無ければ、きっと縁遠いものになっていたに違いない。僕の居た35期は部員が8人で、少ないようだが、その当時ではまれにみる隆盛ぶりであった。また、半部員みたいに入り浸る友人も居て、活気溢れるクラブ活動だった。文化祭の盛り上がりは今も楽しい思い出である。その当時の仲間とは、今も盆と年末の年に二回、飲み会で集まる。本当にありがたい事だ。その後大学でも落研に入部し、より深く落語に心酔する事になる。後に師匠となる五代目文枝(当時小文枝)が審査員をつとめていた素人参加番組、「素人名人会」にも5回出演した。うち4回が名人賞。今思えばあれが、僕のピークやったなぁ。( こ こ ち ょ っ と 笑 う と こ や で ) また、大学対抗落語選手権で関西22大学の代表参加の大会でも優勝し、ちょっとの勘違いと大いなる自惚れで噺家になった。この後、プロの厳しさに直面するが、それも大事な成長過程であり、今となっては噺家という職業に感謝しきりである。毎年11月3日に行う独演会「文華の日」も、有り難いことに毎年発売当日に完売するが、高校時代の友人が、いつも大勢で来てくれる。2つの人生は歩めないが、生野高校に落研がなければ自分はどんな人生を送っていたのか?今現役の後輩たちには、どんな人生が待っているかわからないが、今置かれている場所を肯定できる考え方をできるように暮らして欲しいと願います。生野高校100周年万歳 ! !


Profile
本名  増田  智彦(ますだ  ともひこ)


生年月日  昭和39年7月14日(かに座・AB型)
昭和63年6月18日、三代目  桂  小文枝(故  五代目  桂  文枝)に入門
関西学院大学  理学部化学科を中途退学し、入 門
持 ち ネ タ 「 子 は 鎹 」「 ね ず み 」「 堀 川 」「 近 日 息 子 」「 く っ し ゃ み 講 釈 」「 淀 五 郎 」「 み か ん 屋 」「 二 人 癖 」「 ふ ぐ 鍋 」「八五郎坊主」など所属  
公益社団法人  上方落語協会
主な活動 
落語会出演、学校芸術鑑賞会、落語会企画、寄席の太鼓演奏、各種司会  など
受賞
1997  第34回  なにわ芸術祭  新人奨励賞(平成8年度)
1998  第35回  なにわ芸術祭  新人賞(平成9年度)
2003  大阪文化祭賞 奨励賞(平成15年度)
2008  第63回  文化庁芸術祭賞  優秀賞(平成20年度)
2008  第3回  繁昌亭  爆笑賞(平成20年度)
2009  第4回  繁昌亭  奨励賞(平成21年度)
2010  第5回  繁昌亭  大賞(平成22年度)
一門紹介 
六代文枝、きん枝、文珍、文太、小軽、文福、文喬、文也、小枝、枝女太、枝光、あやめ、坊枝、文昇、枝曾丸、文華、こけ枝、文三、かい枝、阿か枝
弟子  華紋(平成22年4月入門)