高35期 赤澤 竜也

高35期

赤澤 竜也

-作家-

2020/10/20

高35期には550人を超える生徒が在籍しておりましたが、テストの席次は常に500番台の落ちこぼれ。当時の生野高校は、どんなに悪い成績でも取りあえず仮進級させてくれるノンビリした学校だったので助かりました。高36期に弟がいたので、ダブったらホンマにヤバかったです。現代国語のテストでぶっちぎりの学年最低点を取ったこともあるわたしが、文筆業で糊口をしのいでいるのですから、世の中はわからないものです。自分の書いた文章をいろんな中学や高校の入試に使ってもらうこともあり、「ボクの小説で合否を決めたりして、文部科学省が怒ったりせえへんのやろか?」と思うことも少なくありません。どんな問題文なのか気になって、解いてみたことがあるんですけれども、「下線部のオレの気持ちを説明したものとして適切なのはどれか?」とか、楽勝で間違えまくりました。現代国語の実力はまったく伸びていないようです。振り返ってみますと、好きだった同級生の女の子にはこっぴどく振られましたし、在籍していたサッカー部も2年の半ばでドロップアウトするなど、なにもかもダメだったハズなんですけれども、なぜだか楽しかった思い出しか残っていない。有志でバンドを組んで視聴覚室で演奏したり、文化祭で上映するために映画を撮ったときのことなんか、キラキラとした映像として甦ってくる。不思議なもんですよね。辛いことがあっても、「まあ、なんとかなるやろ」と考えることができるのは、あのころの素敵な記憶があるから。最近、そう思うようになってきました。


Profile
赤澤 竜也


作家。
慶應義塾大学文学部卒業後、公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手、週刊誌記者などに従事。
ノンフィクション: 「内川家。」 飛鳥新社、「会社人間だった父と偽装請負だった僕」 ダイヤモンド社、「サッカー日本代表の少年時代」(共著)PHP研究所。
小説:「吹部!」、「白球ガールズ」 KADOKAWAなど。
金剛中学出身。