高26期 村田 治

高26期

村田 治

-関西学院大学学長-

2020/10/20

自治会活動で得たもの
現在、関西学院大学学長として大学運営に携わっていますが、その運営姿勢の基本は高校時代の自治会活動で体得したものと確信しています。生野高校2年生の1年間、自治会の議会議長を務めました。当時の中心的関心事であり多くの時間を議論に割いた議題は制服自由化問題でした。約1年間の議論の末、半年間の制服自由化試行期間を勝ち取りました。毎週特定の曜日の昼休みの時間に自治会の会議が開かれ真剣な議論が行われ、しばしば午後の授業時間まで会議が食い込むこともありました。半年間の試行期間の後、制服自由化に踏み切るかどうかを巡って体育館で全学集会を開き、教頭先生等と丁々発止の議論したことを今でも鮮明に覚えています。制服自由化を推進するに当たり、自治会顧問の先生と真っ向から対立しながら議事進行を担うなかで、クラスの友人たちと交わした本音の議論は極めて有意義でしたし、民主主義の基本が主権在民であることを体得したのは極めて大きな収穫でした。この時の貴重な経験や自治会活動のために読んだ古典からの知識は、その後の私自身の生き方の基盤を形成しており、また、大学での様々な会議体の運営の指針となっています。当時を振り返ってみて、自治会顧問をはじめ大半の先生方が制服自由化に反対であったにもかかわらず、半年間とはいえ、制服自由化が実現したのは生野高校の校風が影響していたのはないかと考えます。生野高校の五綱領、なかでも、剛健、質実、自治の気風が自由な自治会活動を育んだのだと思います。


Profile
村田 治


1980年  関西学院大学  経済学部 卒業
1982年  関西学院大学  大学院修士課程修了
1985年  関西学院大学  大学院博士課程満期退学
1998年  博士学位(経済学)授与関西学院大学経済学部専任講師、助教授を経て、現在、関西学院大学教授。
2009年~20012年  経済学部長
2014年~  関西学院大学学長

専門はマクロ経済学

主な著書と論文『公債と財政赤字のマクロ理論』(有斐閣)、1996年『現代日本の景気循環』(日本評論社)、2012年『生涯学習時代の大学の戦略』(ナカニシヤ出版)編著、1999年『CD-ROMで学ぶマクロ経済学』(日本評論社)編著、2001年