高17・18期　中川 健一

高59期

中川 健一

-ハーベスト・タイム・ミニストリーズ　牧師-

2020/10/20

知識を得たのは大学時代であったが、人格形成は間違いなく生野高校時代にさせていただいたと思う。今思い返しても、嫌な記憶が何ひとつない３年間であった。進学校ではあったが、締め付けや強制がほとんどなく、五綱領がそのまま受肉したような校風を生徒たちは楽しんでいた。私自身も、既成概念に囚われることを嫌い、異文化コミュニケーションに興味を抱くようになった。高２の時に、交換留学生試験に（AFS）合格し、高３の夏から１年間、米国の高校に留学する機会を得た（入学時は17期、卒業時は18期）。留学前には、大学受験に不利になるという声と、多少遠回りしても若い時に外国を見た方がよいという声があったが、後者が正解であった。大学入学後、「人はどこから来て、どこへ行こうとしているのか」という問いに苦しむようになった。本来は無神論者であったが、究極的な異文化コミュニケーションの実践として聖書を読むようになり、自らの無知を恥じた。キリスト教とは世界観であり歴史観であることを理解した私は、大学３年の冬にクリスチャンになった。それ以来、いかにして日本人に理解できる形で聖書を伝えるかをいつも考えてきた。聖書はイスラエルの地で書かれたユダヤ人の書である。それゆえ、西洋文化という衣を取り去った形で、ストレートに聖書のメッセージを伝えることが私のライフワークとなっている。これまでイスラエルへの旅は70回に及び、およそ３千人の方々を聖地にご案内させていただいた。生野高校が私の人生に与えてくれた恵みに、心から感謝している。

Profile
中川 健一

＊昭和22年１月11日生まれ。
＊昭和45年３月一橋大学法学部卒業。
＊帝人（株）、日本マクドナルド（株）を経て、米国トリニティ神学校留学。
＊昭和54年６月トリニティ神学校卒業（M.Div.）。牧師になる。
＊昭和61年から約25年間テレビ番組『ハーベスト・タイム』を放映。
＊主な著書
「日本人に贈る聖書ものがたり」（文芸社）シリーズ（全４巻）「３分でわかる聖書」（１）と（２）（文芸社）