高16期 舟橋 信

高16期

舟橋 信

-㈱FRONTEO 取締役-

2020/10/20

創立100周年、幾多の人材を輩出した歴史の重みを感じます。現在、私はリーガルテクノロジー(法科学)やAI(人工知能)開発に係わる企業の役員をしております。3年間の高校生活は思い出深いものでした。特に2年生の夏休みに友人数名と小豆島の砂浜でキャンプし、満天の星空を眺めたこと、大学受験に向けて体力増強のためとバレーボール部の練習に参加させていただいたことなど、今でも鮮明に記憶に残っております。勉学では、1年生の1学期の数学の成績が悪く、夏休に基礎から勉強しました。数学の理解が深まると理系の科目に興味がでてきて、その後の進路が方向づけられたように思います。35年後、電子情報通信学会から「マルチベンダによる大規模情報通信ネットワークの開発とその実用化」により、同僚とともに業績賞(平成8年度)をいただき、名誉なことに国立情報学研究所の「卓越研究データベース(日本)」に登録していただいております。社会人になってから、主に警察活動への科学技術の導入に携わりました。その一つは、現在では当たり前になっている携帯電話やスマートフォン(当時は自動車電話、ショルダー型携帯電話の時代でした。)からの緊急通報(110番通報)制度の整備です。一つの社会システムを導入する際には、様ざまな関係機関と協議を重ね合意を得なければなりません。この時は、緊急通報機能追加の費用負担やシステムの機能要件など、意見の異なる部内や他機関の担当者と2年間協議を行い、合意事項に関する覚書を交わしました。サービス開始の1週間前でした。至誠の精神で折衝に当たったことが信頼関係をつくり、社会生活における重要インフラの一つが生み出されることとなりました。五綱領のうち剛健などの四つは自己を律するものですが、至誠は他者との関係性において最も大切なことと思います。終わりに在校生の皆様のご健闘を祈念いたします。


Profile
舟橋 信


1945年12月生まれ (73歳)
1968年4月警察庁入庁
1999年3月警察庁技術審議官
2001年3月警察庁退官
2002年1月.2011年3月財団法人未来工学研究所技術・国際関係研究センター 研究参与
2003年6月.2008年6月NTTデータクリエイション株式会社 取締役
2004年8月.特定非営利活動法人デジタル・フォレンジック研究会 理事
2008年6月.株式会社FRONTEO 取締役
2011年6月.株式会社セキュリティ工学研究所 取締役
2015年8月.一般社団法人医療ISAC(メディカルITセキュリティフォーラム) 理事

参画委員会等
2001年度.2002年度内閣官房「近未来危機管理技術研究会」 事務局 
2004年度.2005年度財団法人未来工学研究所「バイオ・ケミカル危機管理研究会」 委員 
2007年度消防庁国民保護室「国民保護における避難施設の機能に関する検討会」 座長
2007年度.2014年度東京慈恵会医科大学 
「バイオセキュリティ図上訓練セミナー」 実行委員
2010年度.2012年度海上保安庁「海上保安庁情報流出再発防止対策委員会」 委員
2012年度. 海上保安庁「情報セキュリティ・アドバイザリー会議」 委員
2016年度.2018年度内閣府 総合科学技術・イノベーション会議 重要課題専門調査会 
「地域における人とくらしのワーキンググループ」 専門構成員

著書
「デジタル・フォレンジック辞典」共著、日科技連出版社、2006年12月「改訂版 デジタル・フォレンジック辞典」編著、日科技連出版社、2014年4月「基礎から学ぶデジタル・フォレンジック」共著、日科技連出版社、2019年5月