高32期 山本 哲哉

高32期

山本 哲哉

-民間校長-

2020/10/20

「夢」と「希望」を信じられる人に
生野高校には感謝しています。高2の夏、バスケ部新チームの主将になった私は、連戦連敗、試合に全く勝てずに焦っていました。そんなある日、ミュンヘンオリンピック金メダルの男子バレーボール監督の松平康隆さんの講演を高校で聞くことができました。曰く、最初の欧州遠征は22連敗。そこから「負けてたまるか!」と頑張り、後に金メダルに至る『ミュンヘンへの道』のお話でした。心の底から感動し、気持ちを入れ替え、そこからチームが変わることができました。一人の「本物」の人の言葉で、人の考え方・行動が大きく変わることもあるということを実感した瞬間でした。勤務したリクルートでは、数多くの経営者や求職者との出会いがありました。そこで「変化を前向きに捉えられる事、夢を実現できると思える事、あきらめずに挑戦できる事」が、人が成長するにあたりとても大切な事だと思うに至りました。しかし一方で、成人を超えた『大人』が新たにそれを身に付けるのはとても難しい事も痛感しました。幸い私は17歳で、それが大事だと知っていました。生野高校の講演のおかげで。50歳を超えたある日、大阪市で民間校長職の募集と出会います。「これからの日本を担う子どもの公教育というこんな重要な事に挑戦できるなんて」と迷わず応募しました。論文では、上述の松平さんの講演の話を書きました。「私も素敵な『大人』を中学生に紹介し、未来の『夢と希望』を信じてもらいたい」と。以降4年、80人を超える方に中学校で話してもらっています。嬉しいのは、勤務中学校のデータで、「未来に夢や希望を持っている」生徒の割合が、全国平均を大きく上回っていることです。今の自分の「夢」は、中学生に「夢と希望」を持ち、その実現を信じられる人になってもらう事です。生野高校のみなさん、「変化を前向きに捉えられる、夢を実現できると思える、あきらめずに挑戦できる」事に自信が持てる体験を、ぜひ10代のうちにしてください。そして、世の中を明るく照らしていける人になられることを祈念しています。きっと大丈夫です。創立100周年、おめでとうございます。


Profile
山本  哲哉(やまもと  てつや)

生年月日  昭和36年7月24日
略歴1981年  大阪府立生野高校卒業(高32期)
1984年  神戸大学経営学部卒業
1984年  株式会社リクルート入社
2006年  オフィストウエンティワン株式会社  転籍
2008年  株式会社21リクルーティング  取締役社長
2014年  任期付校長として大阪市立中野中学校  配属
2019年  大阪府立登美丘高等学校  校長赴任