中川 明恵
2020/10/20
創立100周年を同窓会、生親会そして在校生、保護者、教職員の皆様方とともにお祝いしたいと思います。振り返ると、私の高校時代の学びと遊びは、至誠の心と不屈の精神の礎となり、いまに生かされていることに気づきました。級友と計画した山歩きや遊び、勤勉な友との出会い、結果よりも経過を考えることが面白いと気づかせてくれた授業、素振りと球拾いと筋トレに明け暮れた卓球部。人と関わり共同して活動し、挫折と悔しい思いだけでなく、達成感や充実感も味わえた３年間でした。京都大学総長の山際氏が本の中で、「これまで人間は互いに顔を合わせ時間をかけて話し、共働する中で共感力を培ってきたが、目の前の人と共感しあうことが乏しくなり、個人主義的で社会性の弱い人間が増え“サル化”している」と語っています。就職した40年前、自分を好きになれず、大人への不信感から牙を剥く生徒たちとの出会いは、私を大きく変えてくれました。自分の価値観を押し付けるのではなく、思いをしっかり受け止め、共に真理を探究して成長しあえる存在になろうと生徒たちと向き合ってきました。「高校では、何故そうなっているのかを広く深く学び、共に考え生きる友と出会い高めあっていくこと。そして自分と社会の関係を知り、世の中で起こっていることに関心をもって学び、自らの生き方を創造していくこと」との思いで、生徒や保護者に常にリアルに語っています。そして生きる希望を紡ぐことのできる学校づくりを進める中で、“人の絆” がどんどん強まっていくことも実感してきました。在校生の皆さん、「生きててよかった」と思え、平和な世の中を創造していくために、仲間たちと共感しあってつながり学び続けましょう。“知は力なり” です。
Profile
中川 明恵
1975年 大阪市立大学生活科学部入学
1979年 私立千代田高等学校 勤務 （1996年まで18年間担任 1997年～学年主任）
2002年 同 教頭就任
2012年 同 校長就任
学校法人千代田学園理事（翌年 大阪暁光高等学校と校名変更し、看護科・看護専攻科開設）
2019年 私立大阪暁光高等学校 看護科・看護専攻科統括監