高17期 布瀬川 集

高17期

布瀬川 集

2020/10/20

私は生野高校では弁論部に所属していました。弁論部は廃部になって久しいようですが、五綱領の精神を体現するような硬派のサークルでした。校庭の片隅から大声で発声練習をしたのを今も覚えています。校内発表だけでなく、府下の弁論大会にも出場し、好成績を収めていました。弁論術という話す力を高めると同時に、発表するテーマについて、自身の考え方を整理して表明することが必要です。この訓練のおかげで、社会に出てから大勢の人の前で話すことに苦痛を感じることは、一度もありませんでしたし、仕事を進めるうえでの議論にも優位に立てることが多かったと思います。今日、コミュニケーション力とかプレゼンテーション力という用語が、仕事を進めるうえで重要な要素として使われていますが、その種の能力を磨かせてもらったのかもしれません。私の会社生活は、ディズニーの誘致など楽しい想い出がたくさんありますが、弁論部での活動が私のバックボーンのひとつであったと思います。社会に出ると、職種を問わず地位があがればあがるほど、大勢の人の前で話す機会が増えるものです。就活の面接試験で、ファーストフードの店やコンビニでのアルバイト経験をあげて、「コミュニケーション力に自信があります」などと情けない発言をすることのないように、社会に広く目を向け、物事を多面的に見る力を身につけることが肝要です。


Profile
布瀬川 集


昭和21年7月14日生まれ(71歳)。
昭和44年3月早稲田大学第一法学部卒業。
同年4月三井不動産㈱入社、同社関連事業部で、㈱船橋ヘルスセンターの「ららぽーと」創業への業態転換、ディズニー誘致時の㈱オリエンタルランドなどを担当。
開発企画部で、大崎駅東口第二地区市街地再開発事業(現大崎ゲートシティ)、幕張ワールドビジネスガーデンなど数多くの大規模開発プロジェクトを手掛ける。
平成4年4月三井ホーム㈱に転じ、平成5年6月取締役、同社の東証一部上場、1万棟体制の構築に尽力。
平成12年6月専務取締役。
平成16年6月三井共同建設コンサルタント㈱代表取締役副社長。
平成21年6月㈱キャニー取締役会長、高速道路レストラン連合会会長を務める。
平成23年7月から都市問題コンサルタント。再開発プランナー。
平成24年から平成28年までICSカレッジオブアーツ客員教授。